炎は繁殖期の蛇のようにのたうっている/ホロウ・シカエルボク
デジタル時計が詳細に映し出す時刻は好きになれない、一分一秒、おまけに気温や湿度まで…時計にそんなものを教えてもらう必要があるか?―いや、所詮は、好みの問題というだけのことかもしれない、携帯電話は電話以外の機能でセールスを伸ばしているのだ…円盤、そこに書かれた一二個の数字、決められた感覚で動く三つの、長さの異なる針―その形が一番、「時」というものを強く意識させてくれる、地球と同じ形をしているからかもしれない、なんて思う時もあるが、たいていの場合にはそんなこと考えもしない…なにか書くべきかもしれない、という気分になる、だけどそれは次の瞬間にはどこかへ行ってしまう、書こうという気持ちと、書くという気持ち
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)