息災/あらい
 
マスキングされたサンセットにフルイドアートを零す。
ジュークボックスの、後ろ髪を、きいたのか そうか
  罪深し水の色 ふかき 山間にて
    手のひらの奥に滴る 血潮の音は、
 どうだ(湿度は順当 在り)
  慎ましき、春の声あさし 海洋を
    あしあとの先にこぼれる 土気色に
脱線して尚
  嗚咽が昇華する、か。
  笹浪に帯びて おやすみ 夜鷹の欠片たち
  さざ波に与える。
  まどろみの風。また今度、ヒヨドリへ
 
     オレンジ峠をこえ 咽頭部に 手網を弾く
       我儘な待ち人が また追いかけてくる
       
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