幽霊は死なない/ホロウ・シカエルボク
いう個体の確信が意識のすぐ下まで浮上しつつあるせいだ
君よ
終わりは一度しか来ない
一度きりだ
それは選べない
いつそれがやって来るのか
ほとんどの場合には教えてはもらえない
農夫のように言葉を植え付ける
背中を丸め、目を凝らして
手持ちの言葉がひとつも無くなるまで
もう答えなど探す必要はない
悟りなどその時々の嘘だと
とうの昔に知っているのだ
与えられたもの、選択したものを
幾つかの決意の中で
ひとつひとつ残し続ける
足跡はすぐに消えてしまう
人生は柔らかな砂だ
瞬間が永遠になる為に
それが最も
らしい理由と言えばそうかもしれない
多くのものは失われるに違いないが
かけがえのないものは必ず残されるだろう
夕暮れが始まる
俺は溶け込むとしよう
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