詩の日めくり 二〇二二年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 



二〇二二年十一月二十五日 「小島きみ子さん」


 5作目は、「ドクター・ゾンビーと小さな毛むくじゃらの友人たち」メキシコの田舎にやってきた男の手記。人類を敵とする動物を密かに飼っている。しかし、主人公は合成動物の繁殖に失敗する。そのうえ、死んだ合成動物の死体を警察に見つけられ、動物虐待と無許可の屠場経営の罪で捕まったのである。

 小島きみ子さんから、詩集『空と大地の眼で織られた布(テキスト)』を送っていただいた。広範な知識と鋭い感性に支えられた連作短篇詩集だ。「ママン」の呼びかけが、ぼくにカミュの『異邦人』を思い起こさせたのだが、ぼくの頭が古いのかなとも思われた。
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