詩の日めくり 二〇二二年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
を見る。じつは夫が、妻が寝静まったころ、ひもを妻の手に巻き付けて見させていた夢だったことがわかる。こんな夫婦はいそうで、いないだろうけれど、こんな話を思いつく作者が怖ろしい。

 9作目は、「悪薬」友人を殺そうと思っている主人公。しかし殺したいという気持ちをなくそうとも思っている。そこで精神治療器を買って使ってみたのだが、その装置は火星人用で、地球人の主人公に効果はなかった。火星人としての偽の記憶を頼りに、友人を残忍な方法で殺そうと思う。

 10作目は、「災厄を防ぐ者」異星人の声が危険を知らせてくれる。しかし、同時により多くの危険をも招く。しかしその数多くの危険をもきちんと知らせてくれる
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