ロイヤル/
木屋 亞万
あたたかい光に包まれて
ボックス席が並ぶ窓際
レストランという故郷
ストローで吸う
上がってくる液体の
予感だけで
運ばれてくるハンバーグ
鉄板を弾ける油
小さな粒子になって
カレーを入れるためだけに
用意されている
ふたのない魔法のランプ
ココアの泡の粒が
カップのふちに
しがみつく
陽だまりを集めて
しっとりしたパンケーキ
三枚の永遠
きっといつか忘れてしまう
いつ誰と何を話したか
店を出て振り返る
しあわせは気泡の中にあるんだと
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