読書/はるな
 


風がいよいよつめたくなってきた
頁をめくるときがきた、と君が言う
ぼくは12頁めの一行めを読む
愛してくれるなら誰でも良かった
乱丁だろうか
次の行は暗く潰れて
愛して良いならだれでも良かったのよ、
すらすらと言う
君の目がぼくを見ている


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