完全な闇が取り払われるとき/ホロウ・シカエルボク
ジグソーパズルのピースのように生き続けるのだ、途方も無く長い時間を…かれらとわたしの間には恐ろしく深くて広い谷が広がっていた、わたしは少しの間ならかれらの方に行くことが出来たが、かれらはわたしの方にやって来ることは出来なかった、というより、わたしのような人間が立っている場所というものをそもそも知らなかった、だからわたしにはかれらが理解出来たけれど、かれらにはわたしが理解出来なかった、ただ、自分の身近に居る誰かの人格にわたしを当てはめて、理解したような気になっているだけだった、方程式の応用問題の間違いのように…幸せとは薄っぺらい、さえないデザイン、あるいはロゴマークの描かれたシールみたいなものなのだ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)