イマ腎/ゼッケン
らなく穢れたものに思える
手に入れるために熱中した、しかし、
手に入ったものは捨てたくなる、そうやって行は完成する
もちろん、ただのまねごとだ
犠牲にできるものしかおれは壊さない
家族を傷つけたりはしない
なによりおれは、
自分自身を傷つけようとしない
ふたたび取り戻せることが分かっているものにだけ傷をつけて
ほどよい喪失感を味わっているに過ぎない
おれはコンクリートの床にできた水たまりの中に仰向けに寝転がり、
高い天井から水を噴き出しつづけるスプリンクラーを眺める
後悔するための愚行だ
無駄なことをしている
家族にもビルの管理会社にも叱られる
世界は自分のも
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