バナナ/妻咲邦香
 

バナナでなくて
何だというのか

バナナだろう
紛れもなく
バナナであろう

いや
バナナであって欲しいと
そう願わずにはいられないほど
あなたはバナナ
バナナ
なのだ

それ以外は考えられず
それ以外は許されない
そんな名前の
あなたは

ああ覚えてる
共に生きたこと
共に歩んだこと
覚えているよ

長い睫毛と
肩を鳴らす癖と
朝の窓辺に漂う匂いと
私の
バナナ

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