blooming underground/ホロウ・シカエルボク
色を変えてしまう、そこには、俺自身の感覚が混ざり込んでしまうからだ―現象を現象のまま確実に記憶するには、正気を保ったまま狂気の中に潜り込んでいくことだ、きちがいがなければ本当は、人間は生きてなどいられない、世に溢れる芸術が、俺たちにそのことを教えてくれるだろう、なあ、俺の声はかすれているか、くぐもっていて、聞き取り辛いか、けれど俺は語ることをやめはしないだろう、それがどんな理由に寄るものなのかは、俺にも分かったためしがない、だけど、こうしてまた、俺はここに立っている、とりとめもない言葉を、てめえの内臓のように引き摺り出しては、床に並べて検分している…知ってるか、血液の色は一色ではない、歩んできた人
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