詩の日めくり 二〇二〇年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 
r という単語が浮かんで、翌日には、それが本物のドアになっていて、そのドアをくぐる自分たちというのと、こちらにいる自分たちというものの区別があって、というわけわかめな物語。

 7作目は、ケン・リュウの「良い狩りを」中国人の妖怪退治の跡継ぎだった少年が、蒸気機関車に関する機械を扱う仕事について、機械いじりの能力を高めていく。やがて、かつて出合った妖怪の娘と再会したのだが、彼女の身体は機械になっていた。青年は、彼女の機械の身体を完璧なものとする。

 8作目は、陳 楸帆の「果てしない別れ」脳の病気にかかって植物人間状態に近くなった主人公が、政府の依頼で、深海生物との意思の疎通を頼まれるという
[次のページ]
戻る   Point(16)