詩の日めくり 二〇二〇年十二月一日─三十一日/田中宏輔
800メートルの幅があるように見える魔法がかけられた。逆だ。800メートルの幅がある土地が見かけ上、幅2メートルほどにしか見えない土地がある。インディアンが魔法をかけたのであった。
二〇二〇年十二月十一日 「おぼえていないときもある」
16作目は、ウィリアム・バロウズの「おぼえていないときもある」警官に捕まったと思ったら、捕まえられた方が連邦警察官だったりする話。「広場がカチッと焦点をとりもどした。」(大谷圭二訳)という言葉がとくに印象的に残る。
17作目は、フリッツ・ライバーの「冬の蠅」主人と夫人とひとり息子の幼子がいる居間。父親が夢想のなかで見る黒いフラノや黒い道
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