詩の日めくり 二〇二〇年十月一日─三十一日/田中宏輔
7作目は、「馭者台から」長いとこ、馬車に乗っかっていた女性を金がないからといって警察署のまえに連れ出す馭者。しかし、それが自分の妻であることをさいごに読者に知らせる。仕掛けは十分に効果的だった。ある意味、短篇は読者を騙すものだからね。
8作目は、「多忙な仲買人の恋物語」言葉通りに多忙な仲買人があまりに仕事が忙しくて、もうその彼女ときのう結婚したばかりなのに、また彼女をきょう見て求婚してしまうというもの。
9作目は、「二十年後」有名な作品なのか、読んだことを思い出した。二十年後に再会しようと約束していた男たちが、指名手配犯と警官だったという話。約束の時間よりまえに会って本人
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