どどめ色の肌/soft_machine
つまりどどめ色
たった四つの効果光では
無限の階調を人種なんかに引き裂けない
頭は月に負けない穴だらけ、影の音
爪は空間を固化する蝋の巣
ざんざん満ちやまない海
浮かべるんなら笹舟がいい、ヨットより
しずかに沈んでゆけるから
抵抗するのも恋なるまなざしの罪
それが逆光だとなおいい
弾ききれない
奪いきれない
ひと筋のワジをたどるシロッコ
ひと粒の氷が欲しかった
冷たかった
花みたいに
好きだった
梯子を外され
甘くなりすぎ落ちた
屋根裏で乱れた白衣につつまれ
どうしようもなく拡がっては泡だつ
在る。ってことだけがよく分る
こんなに透けてしまっても
こころで想う故よりふるく
いつの日か分裂もおわる
それでもわたしの記憶のはじまりは
きっと今でもことばより早い
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