デッドマン・ウォーキング/ホロウ・シカエルボク
 
つく、二四時間営業の本屋は無くなってしまった、コンビニは雑誌のコーナーを大幅に縮小した、現代社会はページを捲ることを知らない、だから俺はなるべく新しい本を買う、廃業した自動車整備工場のガレージのボロボロのシャッターが風に煽られてハナタラシの曲みたいな音を立てている、ノイズ、ノイズ・ミュージックには確かに人間を奮い立たせるものがある、安っぽい啓発ソングなんかまるで比べ物にならない、言葉だけで片付くものになどそれ以上手をかける意味なんかない、知らないもののために生きることを表現者たちはみんな忘れてしまった、ご隠居どもはSNSで無責任に美しい世界を撒き散らす、しゃらくせえ、闘いの先にしかない平和だってき
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