住めば気狂い花の都/あらい
たのしいおもいでも、つらいきおくも、ほろにがく反芻する。むさくるしく空虚な嘘の中心に足を運ぶ なんども。ざわつかせる世界もこの胸も、白い目で見る明けの明星の強さに趣を見つけるには。
目障りな目的地を退去させよ ただ当たり前に等しい月出したその陽よ反逆せよ。
ここは住めば都 どんな街でも、現場は水嵩近く美術館にあり、賑わいを魅せるドブ川の繁華街を吹き抜ける いわゆる寄る辺なさとして雑魚寝している。空き地における楓の二重人格の処分は ロケーションも完璧なくせに誰も振り向かず、毎回あっけない幕切れで日記帳の片隅にひっそりと描かれるはずだ。
けれど魅惑的お化け屋敷に変わる、ように繰り
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