ひとりで歩いた道のことしか覚えられない/ホロウ・シカエルボク
果ててしまう、意図はよろしくない、そいつは言葉を作為的なものにしてしまう、素顔が分からないほどに顔面を塗りたくった女のようになってしまう、すべては指先が弾き出すものに任せるんだ、真実は固定出来るものではない、いまこの瞬間本当に正直なものを書き連ねたいという衝動の中にしかないものなのさ、だからこそ俺はこんな風に書き続けているんだ、ねえ、言葉なんて本来なんの意味も持たない、同じ言葉ひとつとっても、人によって受け取り方は違うだろう、そいつがなにを求めているのかに寄るのさ、そんな風に個と個の間でふらつくのが意味というものさ、だから食い違う、同じ言語によって話をしていてもね、それを恐れて人は、わかりやすい言
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)