ひとりで歩いた道のことしか覚えられない/ホロウ・シカエルボク
喋り続けるべきだ、理性でも、感性でも、知性でもないところで、自分にすら理解出来ないような言葉をぶち撒け続けるべきさ、空っぽになるまで続けるのには覚悟がいるぜ、無意識の言葉は留まることを知らず、次々と生まれてくるからだ、手当たりしだいに拾い上げて連ねていかなければ間に合わない、渋滞してそれ以上どこへも行けなくなってしまう、言葉は、誰かになにかを伝えるために発せられるべきものではない、それはあくまでも、自分自身の中に巣食う幾つもの怪物を押し流すために発するべきものなのさ、身体を軽くするんだ、身体を軽くすると、もっと様々なものを受信することが出来る、自信した電波は、新しい言葉に変わる、そいつは発せられる
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