鼓笛隊は反旗をひるがえす/ただのみきや
 

こわれた水道管
勢いよく立ちのぼり
中空で希薄になる
虹色の笑い声
わたしはわたしの柘榴を啜る
瞳のコイン
コインには月蝕の肖像


メタモルフォーゼ
ペンと紙があればいい
戯れというテーゼ
空白を削る
奔放に
隠蔽された
女たち
煙の犬
狩ることも狩られることもなく
時間を交換し合う
鉛の祈り
貝の声
追い詰められて毒を飲んだ
ミズクラゲの
静かな爆発


こじんまりと自堕落に
黒砂糖を燃やしていた
旗のように翻る舌
おまえは剃刀の上を渡って来る光
顔中の開かずの間


疑問符と感嘆符に変え
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