詩の日めくり 二〇二〇年五月一日─三十一日/田中宏輔
かった。
日知庵で飲んでた。で、くじらのころの薄切り、さらすくじらを酢味噌で食べたんだけど、なつかしい味だなと言って、隣に坐っていたはまちゃんに言った。なつかしいという話から話が飛んで、むかしカップヌードルの自販機があって、あれ食べたよねって言ったら四十九才のはまちゃんも覚えてるっ言った。
丸い穴あけ機が出てきてお湯がどばーって出てきたよねって言ったらフョークがついてねって、はまちゃんが言った。ぼくはお箸がついてたかフョークがついてたか記憶がなかったけれど、フォークがついてたよねって言われたら、フォークの画像が目に浮かんだ。不思議だね、記憶って。
くじらの話とカップヌードル
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