詩の日めくり 二〇二〇年二月一日─三十一日/田中宏輔
のだ。引っ越しのときにね。過去に縛られたくないからだったと思うけれど、なによりも過去に縛られている人間なのにね、ぼくって。
二〇二〇年二月二十日 「忘れられないSF小説」
小学生のときに父親の持っていたSF雑誌に掲載されている作品を読んだことがあって、タイトルも作者名もわからないのだけれど、忘れられないものがあって、内容は、男が船に乗っているときに念力で心臓を握りつぶされそうになるシーンと、島についたら、そこでは死なすためだけの目的で男女の奴隷を売っていたという話なのだけれど、またその作品とは再会することはなく、ぼくは死んでしまうのだと思う。これこれこういう作品を知りませんか
[次のページ]
戻る 編 削 Point(13)