Une Correspondance/ホロウ・シカエルボク
 
んやりと天井を見上げながら、こんなことがいつから始まったのかと自問する、人間なんていつまでも生きていられるものじゃない、そんなことは理解している、小学校の同級生がひとり、二十年程度であの世へ行ってしまった、そんな出来事よりも遥か昔から…そんな認識は他人を装いながら周辺をうろついていたような気がする、時折、身体のどこかに浅く針を刺されているみたいな感触が走る、袖をまくったりして眺めてみてもどんな兆候を現れない、それはあくまで感覚であり、現象としては存在し得ない…大きめの蟻が数匹、身体を這い回っているみたいだ、そんな時は五感のひとつを殺す、ヘッドホンなんかしてね、そっちに集中する…もしかしたらそんなこ
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