詩の日めくり 二〇二〇年一月一日─三十一日/田中宏輔
郎訳)
よく愛するがためには、すでにくるしんでいなければならなく、また信じていなければならないのではないでしょうか。
(バルザック『セラフィタ』三、蛯原?夫訳)
多感な心と肉体を捻じり合わせて愛に変えうるのは苦しみだけ
(E・M・フォースター『モーリス』第四部・42、片岡しのぶ訳)
二〇二〇年一月十三日 「断章」
もっとも多く愛する者は敗者である、そして苦しまねばならぬ──
(トーマス・マン『トニオ・クレーゲル』高橋義孝訳)
愛が單なる可能性にすぎない以上、それはしばしば躓きやすいものだ。いや寧ろ、躓くことによつて愛は意識されやすいのだ。
(福永武
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