すべてが所詮は呪縛という名の遊戯であるのなら/ホロウ・シカエルボク
間こそが
もっとも自由なのかもしれない
俺自身が飲み込んだ
俺の血はどこへ行く
俺自身の遺伝子を持って
再び体内へ取り込まれる
それは上書きだろうか、それとも更新だろうか?
実際、呪縛のない存在というのは最早
生きる意味の無い無頭症のようなものに過ぎない
血の味はハイ・カット・サウンドの如く
そのすべてを俺に語り尽くす
喉の奥で
言葉を
自分を守るために使い始めたら終わりだ
存在を落ち着かせるために
ていのいい落としどころを作り始めたりしたら
己を切り刻んで
一番深いところにある
奇形めいた欠片を取り出す
それを拾って差し出さなければ
た
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