はぐれものの夜/ホロウ・シカエルボク
 
いる、その中で、自分自身の心情とリンクするものだけを選び取るのだ、それだって正しい音ではないかもしれない、それだってただのノイズかもしれない、でもそんなことで判断を鈍らせてはならない、ベスト・チューニングとは、綺麗な音を出すためのものではない、幾つものチャンネル、その組み合わせ、幾億の回線のミクスチャー、そんなカオスのインプロビゼイション・プレイを、繰り返しやり直し更新し組み直しては見たことのない光を見る、それがもっともシンプルな人生の表現だ、つまりそれは固定されない、つまりそれは限定されない、つまりそれは結論には成り得ない…感情であり、感覚であり、欲望であり、本能だ、もしもその中にたったひとつ変
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