詩の日めくり 二〇一九年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
まがっちゃうね。って言って、ひんまがっちゃったひとはいないだろうけれどね。


二〇一九年十一月三十日 「2011年4月13日のメモ」


 八雲さんに小物屋さんに連れて行ってもらう予定なのだが、いまべつに欲しい小物などひとつもないのだが、じっさい目にしたら、ああ、これ必要だな、などと思えるようなものに出合えるような気がする。と、ふと、思った。


二〇一九年十一月三十一日 「日付のないメモ」


 自転車に乗っていてトラックにはねられそうになったとき、時間がとまったような気がしたことがある。トラックの運転手たちだけではなく、横断歩道の向こう側にいたひとたちの顔、ひとつひとつまでもが鮮明に目に飛び込んできたのだ。


戻る   Point(12)