手放したわけでも/あらい
 
来たるべき日の訪れを 縋るための妄執で うちにまぎれる
ひざまずき蕾に授けるための失念 白昼夢の天球は一部分で
    カモフラージュの雨月かも。計画は順当に、
       ともしびともすれば、吃る
        ほねおりほど、ちかく
        ほおずりほど、こわい。
はんぶんの適齢期は 同じ仕草で渡す
  「いくつか、だね」勝手気ままに切り別れた真珠の層を
    百色眼鏡のよう ひとつかんで、耳打ちする。
         群青分梅というわけ
今、のべるための 枝に、見返りは終夜 なきがらのそばで
   くろねこに やなぎかぶりいる 暮れにお
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