冬の寒がり/
末下りょう
知らされる日を待ちながら
遠い異国を
夢見る網膜に雪は積もり
結露した小屋の深いところで死んでいると
三つめの冷え込む朝に
拾い集めた文字を並べ終え
それを凍えたゆびで無造作に裏返し
優美に生えそろう車輪に悴みながら紫色の花を売った
冬の国の
寒がり
( 空間の脱け殻を踏みしめるように なぜでしょうなぜでしょうと 時間がまた白い町をそぞろ歩いていく
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