フーディニ・フーダニット(Houdini Whodunit)/クリ
 
』ではないわ」

「そうだろう、『神の視点』君」
と犀川は言った、とわたしは言った。ああややこしい! 
「すべてを見ていたのは君だけっしょ、神様」
わたしは神でも、神の視点でもない。単なる『カメラの視点』だ。
それに、殺人を見ていた者が少なくとも二人存在する事は分かるだろう。
殺された森と、犯人自身さ。
「当たり前だろう、それは」
ナイフが森の胸に突き刺さっていったのを確かに見ていた人物がいるということだ。
「誰やねん」

一行目を読んだ人物さ。


                                     Kuri, Kipple : 2005.04.29
「読者が犯人」という推理小説は、すでに何作か書かれているみたいですね。

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