詩の日めくり 二〇一九年一月一日─三十一日/田中宏輔
 
った。また、眼球や内臓を摘出したあと、エクトプラズムを抜くために、わたしたちの手から術師たちの手に渡すのだが、そのまえに、まぶたと唇の上下を縫い合わせるのだが、その役目も、わたしたちは担っていた。


二〇一九年一月二十七日 「イマージュ」


 鳥の散水機の電気技師の植木鉢のネクタイピンの微笑みのエスカレーターの瞑想の溜まり水の肘掛け椅子の小鳥の映画館の薬莢の古新聞の電信柱の蜜蜂の肘掛け椅子のビニールの牛の藁屑の理髪店の新幹線のレモンの俯瞰の花粉の電気椅子の首吊り台の雲のいまここのいつかどこかのかつてそこの自我の密告者の麦畑の船舶のカンガルーのエクトプラズムのハンカチの襞の寄木細工の
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