詩の日めくり 二〇一九年一月一日─三十一日/田中宏輔
ている
汗びっしょりになってがんばっているのだ
その卵は、ほかの卵がしたことがないことに
挑戦しようとしていたのだった
卵は、ぴょこんと
プラケースのなかから跳び出した
カシャッ
二〇一九年一月二十五日 「記憶」
ふと、京大のエイジくんのことを思いっきり思い出してしまって、そのエイジくんに似ている、いま好きな子とのあいだに、いくつもの共通点があって、人間の不思議を感じる。もしかしたら、人間って、ひとりしかいないのかもしれないって思ったことがある。ただひとりの人間が、何人もの人間のフリをしたがって、何人もの人間のように見えてるだけじゃないのかって。そう思
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