足跡/若林はじめ
 

雪道に残された足跡

自分がどこへ向かうのか
どのみち決まっていなかったから
足跡をたどって歩いた

同じ場所でとどまたった跡
ところどころ曲がった跡
どうしてもまっすぐになれない跡

歩いているうちに
なぜだか悲しくなったり
不思議と嬉しくなったり

本当は
歩いているうちに気づいていた

その足跡が誰の足跡なのか

本当は
歩きながらただ思い返していた

 
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