樹氷のシナプス、そして降り積もる囁き/ホロウ・シカエルボク
に感じさせる、どんな熱い言葉よりも速く、どんな厳しい言葉よりも確かに…ひとではなくなるということなのかもしれない、ひとではないなにかになって、慣れ親しんだ言葉をまるで初めて目にするもののように仕立て上げたい、きっと俺はこれからもそんなもの思いに耽ってしまうことだろう、そうしていつの間にか時は流れてゆくだろう、いつかと同じものなのかそれともまるで違うものなのか、そんな空を見上げながら世界なんて嘘っぱちなんだと呟くだろう、なにかを小さな声で囁き続けている雪が降り続けて、やがて俺はそいつを身にまとって樹氷のように枯野に立ち尽くすだろう…。
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