あの頃は電話も/いる
日月との戦いは続く
自動的に増える
あるいは複製される
かけがえのない唯一の災害
手に手に光源を持って
闇を深めに行く
自殺なら後でできるから
ありったけの飴をランドセルに詰めて
引き当てた詐欺的な地図を見て
桜の咲く頃に高速に乗ったり
乗らなかったりする
「これを繰り返してください」
あの頃は電話も足りず
何もかもピンク色で気が狂いそうだった
西が赤くなり東が黒くなり
東が黒くなり西が黒くなっても
回るのは犬小屋の影
パチンコ玉
「もうおしまいだ」
あと
何があったっけ
最近は鳩だって巣になんか帰らない
新しく生まれた人が
神のコスプレをして商店街を通る
ちょうど福引きをやっていて
がらがらを回すと
玉が出てくるがその色がわからない
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