side order──田中修子へ捧ぐ/中田満帆
体そのもので
あったなら、
草のために悼む 航空力学を学ぶためには牡蠣の山葵漬けがよく似合う だれもいなかった人生に登場人物たちが現れ、おれを慰めては消えていった これはスーパーカーの仕様ですと執事がいっているのに、おれは気づかないふりをつづける 解剖美術のもっとも昏いところで、4月18日のバラードを口遊む醜い隣人 危険物取扱の資格をマスターするためにも、牡蠣がもっと必要なのだ 「愉しい会話術」を読み、ふさごとを夢想するおれは、モーテルの出口で あのひとの死を見かけた もっとも淋しい時代に生き、そして高速反射する光りが、やがて黒くなってボクサーのパンチに炸裂した
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