詩の日めくり 二〇一八年六月一日─三十一日/田中宏輔
 
世間の普通の人は詩など読まない 
(ノサック『ドロテーア』神品義雄訳) 
誰も詩人のものなんて読みやしない。 
(コルターサル『石蹴り遊び』その他もろもろの側から・99、土岐恒二訳) 
二〇一八年六月八日 「断章」
もちろんそうさ。 
(テリー・ビッスン『時間どおりに教会へ』3、中村 融訳) 
詩作なんかはすべきでない。 
   (ホラティウス『書簡詩』第一巻・七、鈴木一郎訳) 
いったいなんのために書くのか? 
(ノサック『弟』4、中野孝次訳) 
 詩人の不幸ほど甚だしいものはないでしょう。さまざまな災悪によりいっそう深く苦しめられるば
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