風穴の夜/ホロウ・シカエルボク
見送っているのだ、目を見開いて…誰かが別れを告げる声が聞こえる?それは予感かもしれない、それは今すぐではないかもしれない、だけどそれは珍しいことじゃないかもしれない、だって命は有限じゃないか、スタンプを押すみたいに生きていくことは出来ないんだ、ならば続けろ、と俺の神は言った、煩いくらい喚きやがるんだ、いまだって―だけど言っちまえば、それは快楽だよ、すべての手ごろな楽しみを手放したところにそれがある、そいつは俺をどうしようもなく病みつきにさせるのさ、合法的な麻薬だ、求めれば求めるだけ手に入る、ラップトップを叩き起こせ、脳味噌に風を入れろ、いつだって始めることが出来る、目的、それこそが失われることがな
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