夢/ジム・プリマス
白い余白が目の前に広がっている
どんな言葉で埋めようか
言葉が浮かぶのを待ちながら
余白とにらめっこをしている
クラッシックを聴きながら
突然、若い頃に行き違ったままの
美しい人の面影が浮かんで戸惑う
タバコに火をつけて
紫の煙を吸い込んで
若い日の遠い思いでを反芻する
鏡を取り出して隈とシミだらけの
自分の顔を覗き込む
そこには初老の歳に達した
自分が明らかに映っている
でも胸に抱いている夢は
まだ15歳のままで変わっていない
諦めた方が楽だろう
でも諦めたら
自分が自分でなくなる
二本目のタバコに火をつけて
もう一度、正面を向いて
目の前の現実に焦点を定める
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