多重人格は好きにはなれないけれど/st
で
非常に魅力的な写真を創り出す
ボケ味もグルグルぼけとユニークで
逆光時によく現れる虹色のゴーストが美しい
これで1本
ところが
絞りを一段しぼると
その性格がガラリと変わり始め
フレアーやゴーストとともに
確かな解像力を示し始める
これでもう1本
二段も絞ると
非常にシャープになり
高い解像力を持ちながら
独特の柔らかさも感じさせるようになる
現代の優秀な写りのレンズと比較しても
遜色のない
最後の3本目となるわけだ
こんなふうに
コロリと変わる描写のせいで
昔からクセ玉などと語られてきた
現代のレンズは
開放から最小絞りまで
フレアーやゴーストが
極力でないように設計され
シャープさや
高い解像力を保つが
こんなふうに
変化する面白さがない
人間の多重人格となると
とても好きにはなれないが
レンズとなると話は別だ
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