詩の日めくり 二〇一七年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 

引用とコラージュの詩学である
過冷却の液体に
物理的なショックを与えると
たちまち凝固してしまうこと
これもまた想起にたとえられるであろう
プルーストの『失われた時を求めて』の冒頭
マドレーヌと紅茶の話を思い出す
何かがきっかけになって
突発的な想起を生じさせるのだが
無意識領域で
その想起される内容が
十分にたくさん
ひしめきあって
意識領域に遷移しようと
待ち構えていたのであろう
意識領域ではそれを感知できなかったので
突発的な記憶の再生というふうに思えたのであろう
それというのも
マドレーヌと紅茶をいっしょに口にしていたことは
それまでにもたびたびあっ
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