詩の日めくり 二〇一七年十三月一日─三十一日/田中宏輔
領域のもの
という具合に言えばいいところのものを
男性性
女性性
という言葉でもって
それを意識領域
無意識領域というふうに
言語的に関係付けてしまうことは
文化史的には必然で
文脈を容易に語らしめるものとなるのだろうけれど
本質的なところで
誤解を生じる可能性があるかもしれない
ぼくが考察するとき
比較対照するものが聖書や文学や哲学の文献だったりするので
文化史的な点では
それを無視することはできないし
ましてや
それがなかったものとして語ることもできないのだが
知らず識らずのうちに
ジェンダーであることを忘れてしまわないように
気をつけながら
考察しな
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