二十歳の呟き/板谷みきょう
の大海を拒み続ける事によって
自己の真理を築いたのである
二十歳は今までの禁止事項に対する緊張の崩壊を生み
二十歳の解放は目的を失った倦怠と憂鬱を生産する
空にたんぽぽの綿毛が飛んで行った
成人式はいやだね
二十歳の若さの大安売り
まるで神妙な顔してるんだから
結局は独人なんだ
解りきった事なのに
人込みに紛れたら忘れてしまう
狂気のニーチェを知った僕は彼を真理と思った
ツアラツゥストラは言葉の遊び
古本屋は六百円もくれた
ツアラツゥストラは消えた
なんて僕は物憶えの悪い阿呆なのだ
鳥はヒバリが好きだ
天高く
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