二十歳の呟き/板谷みきょう
 

私は皆が羨ましいのです
生きている事
自己の存在を正当に思える事が


二十歳までの自殺は
やたら御涙頂戴的な悲劇の象徴にも関わらず
二十歳を過ぎると
やけに御笑いな敗北の象徴になっちまう


このごろ生きているのが
理不尽な事の様に思えてならない


お互いに同じ事を言っているのに
言葉が違うために議論して傷付けあっている


春が近付いて来ている事を笑顔で感じている
段々 暖かくなって
雪が死んで逝っているにも関わらず


夜 冷たい床に入ると
そのまま冷たくなってしまえばなんて思って
息を詰めたりしている


僕が存在する素因はあ
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