詩の歌声/ただのみきや
 
うたごえ・一

空気の花びらが散って
時折ほこりが舞うように
手をふって消える光の棘



うたごえ・二

その肉体は一本の弦だ
わななきながらさまよって
わたしの夜へとけて行く



うたごえ・三

祭壇からスーパーボールがあふれ出す
わたしは微笑んだ誰に向けるでもなく
美はリズミカルに氾濫する





ああ詩のうたごえよ

美しく濁った空
歌には残り香のような余韻がある
それはたましいの空ろに響く木霊
くりかえし求めるのは去り際の切なさ
震動と明滅 あの痺れのような
快楽への転化

感覚主義
じゃ
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