ほし/木屋 亞万
 
が悪かったんだ
ちぎった灯りを投げても
すぐに落ちて消えてしまう
あっと思った時にはもう
どうしようもなく汚れてしまっている
もっといい未来があったのかもしれない
甘やかしたのは誰だ
道の両側は壁に覆われている
背中にシャツを張り付かせながら
走るか歩くか
見上げれば雲が出ていて
もう何も見えない

きっとまだ
星はこれから流れ始める
走れ走れ
苦しくても暗くても
手の届くところに
星が来たとき
この手で無事につかめるように
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