ある隠喩/草野春心
 


  青空はずっと振るえている
  時が かげになって路にこぼれてくる
  壁のうえにそっと 黒い木が枝葉を撒く

  思うということ
  街にいくつも街を重ねていくこと
  あなたと はじめて手を繋いだ夕暮れ
  胸の軋みは何処からかやってきてほどけた



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