リヴィジョン / ある女の子篇/末下りょう
潮の匂うほうに
引き寄せられる
ひび割れだらけのアスファルトにしゃがんで 猫に餌をあげる聖人の手順だけが この町の可能性を静謐に所有してる
ような
夜
色とりどりの 車だった塊が積み重なる 廃車場のフェンスから
はみ出てる棒切れの
一本を
引き抜いて
いいかげんクソまじめにわらわないように それをわらうことなしにわらえないくらい
近未来 身にまとって 過去を代表して見せかけのいまを襲撃しにいく
いつになくどこにもフルサイズのない
夜の底
に
ながくゆるい下り坂の カーブの
底に
海が待っててくれるうちに
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