詩の日めくり 二〇一七年六月一日─三十一日/田中宏輔
 
        (紫式部『源氏物語』若菜(下)、与謝野晶子訳)

無技巧的になって、おもしろく思われる。
ではなくて
おもしろく思われるのも、無技巧的になったからか。
というのである。
コクトーも、うまくなってはいけないと書いていた。
コクトーは技巧を凝らした初期の自作を全集からはずしたが
ぼくも、自分の技巧的な作品は、好きじゃない。
自然発生的なものしか、いまのぼくの目にはおもしろくないから。


二〇一七年六月二十八日 「日付のないメモに書いた詩」


職員室で
あれは、夏休みまえだったから
たぶん、ことしの6月あたりだと思うのだけれど
[次のページ]
戻る   Point(12)