アポロンの眼/
天寧
音は斃れた
砕かれた空の杯を拾い集めたが
鳴らない口にのぼるのは
黙示する予言ばかり
しかしそれは地底に嵩み
くぐもり充ちて
地殻を持ち上げていった
もはや
瞼を下ろしたくはない
たとえアポロンの眼光が
刹那に岩漿をかためてしまっても
あやまたず射る指先で
つめたく燃える岩漿を 無形のままとりだし
醒めながら狂い 狂いながら醒めたる
空の杯に満たせよ
轟きわたる
玲瓏の地鳴りのなかで
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